在日中国人の皆さまへ
国際化の時代を迎え、日本でも多くの外国人が暮らすようになりました。その中でももっとも多いのが中国の人たちです。在日中国人は現在60万人を越え、特に首都圏には40万人が住んでいるといわれています。言葉や文化の違う海外の生活はストレスがたまりやすく、体調を崩して病気になったり、社会生活に大きな支障を与えるのではないでしょうか。
現在は英語をはじめ、中国語が対応できる身体の病院も増えてきました。身体の病気の場合であれば、医療技術や医療機器の進歩により、例えうまくコミュニケーションがとれなくても、かなりの程度まで診断から治療までできるようになりました。しかし、心の病気の場合はどうでしょうか。心の病気を解決するためには、患者様と医師とのコミュニケーションは必須です。言葉を交わすだけではなく、同じ文化で育った者同士にしかわからない、いわゆる<言外>の言葉も、医師側がくみ取る必要があると考えており、患者様もくみ取ってほしいと考えていらっしゃるのではないでしょうか。
2010年4月より昭和大学烏山病院にて、中国の医師免許のほかに日本の医師免許もあわせ持つ精神科専門医として中国語で診察する特別専門外来を担当しておりました。2015年10月より当クリニックを開院してから、2年余が経過し、多数の患者様にお越しいただきました。その中で他の病院で対応できない患者、大学保健室、地域の保健所、役所からもたくさんの紹介患者たちが増え、ますます専門外来へのニーズが高いことを実感しました。これからもさらに多くの中国人の方に気軽にご相談いただけるように努めて参ります。当クリニックでは中国語ができる臨床心理士もおりますので、より良い医療を提供してきたいと思います。